Entrepreneurs' Organization North Japan

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【経営者の志】株式会社チェンジ・ザ・ワールド 代表取締役 池田 友喜さん

2020.03.11

経営者の志


株式会社チェンジ・ザ・ワールド 代表取締役 池田いけだ 友喜ゆうき さん

山形県酒田市新橋2丁目26-20
info@ctws.jp
株式会社チェンジ・ザ・ワールド:https://ctws.jp/
一般社団法人日本西海岸計画:https://jwcmp.net/
スマホで買える太陽光発電所 CHANGE(チェンジ):https://change-x.jp/

誰でもカンタンに取り組めるグリーンエネルギー事業「CHANGE(チェンジ)」
株式会社チェンジ・ザ・ワールド

1ワット(約250円程度)単位から太陽光発電のオーナーになれるというグリーンエネルギー事業、これがCHANGE(チェンジ)だ。小学生のお小遣いでも環境問題に取り組めるという点は、社長の池田さんが拘ったポイントである。「たくさんのひとりが世界を変える」という会社のスローガンにもあるように、みんなが少しずつお金を出して、多くの人たちがこのサービスに参画していくことで、当社のグリーンエネルギー事業を自分事として捉えてもらい、結果的に大きく世界に広げていきたいという思いがあるのだ。

社長の池田さんは山形県酒田市出身。高校卒業後、首都圏の大学へ進学し、ベンチャーの会社を2社経験し、2006年に株式会社シェアリングスを設立し代表取締役として就任。2014年には地元である山形県酒田市に戻り株式会社チェンジ・ザ・ワールドを設立する。以前の会社でも太陽光発電事業を行っていたが、どうしたらグリーンエネルギーがより広めることができるかを考え抜いた結果、生み出したサービスが「スマホで買える太陽光発電所 CHANGE(チェンジ)」である。
太陽光発電への投資手段として、設備投資が1000万円単位で費用がかかったり、「投資」というだけで詐欺まがいのような人たちがいたりと、あまり良い印象がない業界イメージだった。もっと気軽に普通の人でも安心して投資でき、経済的にも見返りのある仕組みが作りたいと思ってこのサービスをスタートした。実際このサービスは景気変動による元本割れのリスクがなく、年7%程度の利回りを手にすることができるという、初心者でも気軽に投資が始められ、確実なリターンが見込める太陽光発電事業である。サービスは順調に伸びており現在では3000名以上のユーザーが利用している。


失敗をたたえよう!「日本西海岸化計画」

最初の会社では、業績を順調に伸ばし拡大期に詐欺に遭い、大きな損失を被り会社を畳むという挫折を経験。その挫折の中、自らの残りの人生を何に費やしたらよいかを考えていた。そんなときに、故郷で何かできないかを考えて設立されたのが池田さんが代表理事を務める「日本西海岸計画」だ。これは「寒い・暗い・悲しみの日本海」などのキーワードでネガティブなイメージのある日本列島の日本海側を”西海岸”と呼び、山形県庄内地方を起業家や新しい産業が生まれる地域にしていく活動である。挑戦者を讃え、失敗を讃え、多くのトライを生み出し、多くの企業家をこの庄内という場所から輩出して行きたいという池田さんの思いが込められている。「チャレンジャーの楽園」を掲げ、これまで多様なチャレンジが行われてきた。

その活動拠点となり同団体が運営をしているのが、インキュベーション施設LIGHT HOUSEだ。ここでは、コワーキングスペース、シェアオフィス、貸しスペースとして利用ができ、学生、会社員、フリーランスが入り混じって活動を行っている。疲れたときに一杯飲めるバーカウンターがあったり、ソファー、ハンモック、漫画、ボードゲームなど家のような居心地のよさも持ち合わせている近代的な空間だ。定期的に様々なイベント開催されており、スタッフが考えたゲームやプログラムなどを通じて、地域の方との交流が生まれている。
活動の1つとして、「モシエノ大学」とい市民講座がある。酒田のライブハウスを会場に、庄内で面白い活動をしている人を中心にトークライブを行っている。地元の高校生から若者中心に参加者が集まり、これまで毎月1回、6年弱活動を続け現在70回ほどの開催になる。他にも誰もが参加できるアイデアピッチ大会や、起業支援施策として「西海岸0 → 1CAMP」というビジネスアイデアを実際の事業に昇華させる2日間の起業プログラム、週末2泊3日で起業の一歩目行う「Startup Weekend 山形」、英会話やIT人材を育成する「WEST COST ACADEMY」などこれまで行ってきたその起業支援活動は多岐に渡る。
こうした運営は、支援者からの寄附の他、株式会社チェンジ・ザ・ワールドのCHANGE(チェンジ)などで得た事業収入の一部を地域へ還元する形で行っている。

これには酒田の豪商本間家の「商売で得たお金を地元のために使う」ことを徹底するという思想が影響している。三代目の本間光丘は防砂林を植えて田んぼが荒れるのを防いだり、飢饉の際には備蓄米を配るなど地域貢献を惜しまなかった。子どもの頃からそんな話を聞いていた池田さんにとっては、株式会社チェンジ・ザ・ワールドで稼いだお金を地域のために日本西海岸計画で使うことで、この地域の未来へ投資を行っている。

創業経営者同士の問題共有の場・フォーラム
「最高の5%、最低の5%」の経験シェアリング

年商1億円以上の起業家が集まる世界的コミュニティ「EO(Entrepreneurs’ Organization)」。東日本大震災を契機に立ち上がった北海道・東北エリアの「EO North Japan(旧・EO東北)」(本部・宮城県仙台市)で「東北アクセラレータープログラム」が行われるということで、自社でも同様のプログラムを開始しようと検討しており、興味をもった池田さんは2016年7月より本プログラムに参加した。

同団体ではフォーラムという毎月10人以下の固定メンバーで、創業経営者同士、個人・家庭・仕事のその月に起こったエピソードを話す機会をもつプログラムがある。経営者として、なかなか相談できないことや、あまり見せたくないような弱いところをここでは話し合う。守秘義務をもち、安心安全の場として相互に信頼し、「最高の5%、最低の5%」といわれるような、誰にも話せないようなことを話し合い、自己投影をしていくことで、ひたすら自分と向き合い、自分自身がどう成長していきたいかを明確にする。シェアをすることで自分の考えを整理し、聞いた内容から気付きが生まれ、スケールを大きく考えるようになり、成長に繋がっていく。
このEOという組織での人間関係は年商1億でも50億でもフラット。全員が先生であり、全員が生徒。多様性を価値としている世界的な組織なので、グローバルな価値観にも触れることができる。EOメンバーと活動をともにする中で、池田さんのEOに対するイメージが変わっていった。当初金持ち経営者の集まりというイメージがあったが、そこにいたEO東北メンバーは全く違っていた。事業を通じての震災復興への思いも強く、お金儲けのためのことを考えるよりも、地域の課題を考えて活動している経営者が多かった。リスクを背負って全力でアクセルをベタ踏みして、自分たちの事業を進めていく経営者たちが魅力的だと話す。現在、この「EO North Japan(旧・EO東北)」で、池田さんは理事として組織運営を務めている。

東北から日本を盛り上げ、世界を変える
この素晴らしい自然の美しさを次世代へ伝えたい

東北は全国的に見ても起業家が少なく、商圏も小さい。だからこそ起業家はこのEOの環境に早く触れて欲しいと池田さんは言う。ここでは、普通に過ごしていたら出逢えないような規模で経営をしている創業者たちと関わることが出来、1人では辿り着けないような場所に辿りつくことができる。講演会などで語られる表に出ている情報ではなく、そこでは語られない小規模だからこそ話せる話があり、そうした話からこそ学びがあるのだそう。

株式会社チェンジ・ザ・ワールドの組織づくりの部分に関してもこのEOで学んだことを活かして設計した。それが「貢献(Contribution)・挑戦(Challenge)・柔軟(Flexible)・楽しむ(Fun)・感謝(Grateful)」の同社の5つのコアバリューと、10の行動指針(※1)だ。こうした当社が求める人材スキームを体系化することでより明確な人材採用が出来ることで、強固な組織が出来てきているという。また、7期目となる今期からは山形・千葉・福岡のメンバーを一堂に介して全社会をスタートした。会社設立時のエピソードや社名にかける想い、ミッションやビジョン、価値観を共有していく中で、方向性を明確にして、個性豊かな仲間とともに事業を進めている。
事業の軸である、グリーンエネルギー事業。地球環境を意識しはじめたのは、東北の震災も1つの大きなきっかけではあるが、山形へのUターンして以来、自然に触れることが多くなったことだという。星空観測に鳥海山に行った際に、いつまでもこの場所に居続けていたいと思えるくらい、言葉に出来ない感動があった。こうした人間が作り得ない自然の美しさを次の世代に残していきたいという想いに気づいた池田さん。自分が死んだとしても、残り続ける鳥海山を子どもや孫の世代まで末永く残していくことが大事であると考えた。

日本のエネルギー供給の90.5%は外からの輸入によるもの。だからこそエネルギー自給率を高める意味でも、この自然のチカラを電気に転換する「再生可能エネルギー」に注目が集まっている。この再生可能エネルギーが広まることで日本の国力は高まり、また化石燃料から電力をつくる電力転換が少なくなり、電力発電由来のCO2排出量を削減することができる。そのグリーンエネルギ―事業への参加をしやすくしたのが、CHANGE(チェンジ)だ。

日本の原子力発電所の総出力は3871万8000kW(平成30年現在)。もし、日本国民全員約1億人が、ひとり当たり1キロワットの再生可能エネルギーを保有すると、原子力発電所で発電していた電気を、自然のチカラだけで発電するグリーンエネルギーに置き換えることができるのだ。CHANGE(チェンジ)が日本の国力を上げ、やがて世界を変える。
社名にもある通り、心の底からこのグリーンエネルギー事業で世界を変えようとしている会社が株式会社チェンジ・ザ・ワールドだ。今まさにこの記事を読んでくれている1人1人のチャレンジを必要としている。今後も同社から目が離せない。

※注1・・・01社会的価値を重視する、02貢献の為に成長する、03変化を恐れない、04ビジョンに遠慮しない、05すぐやる、何度もやる、諦めない、06雑音を気にしない、07逆境を楽しむ、08可能性に制限をしない、09感謝を忘れない、10世界を変えよう